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24 heures (vingt-quatre heures)/
ヴァントキャトルール
ノリータやアリゼ、シリウスの中に、「24heures」という名のついたものがある。「heure(s)」は「時刻・時間」なので、「24時間」。丸1日という意味だ。つまり1泊程度の荷物にぴったりのバッグということなのだろう。語尾のsは英語と同じ、複数形だ。
名前のつけ方はとっても素敵なのだが、表記についてはどうもスッキリしない点がある。「24アール」・・・これを「にじゅうよんあーる」と日本語読みを混ぜて読んでいいものか。かと言って、「24アール」と書いて「ヴァントキャトルール」と読むというのも一般的にはムチャな話だし・・・。
問題は他にもある。フランス語は単語と単語がくっついて発音されるケースが多く、これも「ヴァントキャトル(24)」と「アール」がくっついてしまうのだ。おまけに「heure(s)」は本当は「ウール」と「アール」の中間のような微妙な発音。つまり、「24heures」は徹底的にカタカナ表記に向かないのだった。
そういう事情からなのかは不明だが、2003年のカタログからノリータは「24アワーズ」に、アリゼ&シリウスは「24h」にと表記が変わってしまった。しかし・・・やっぱり「にじゅうよんあわーず」と読むのも不自然だし、だからといって全部英語読みなのももっと違う気がする。「24h」に至っては本当にどうしたらいいのか・・・。
2003年のカタログの財布類は、去年までの「ファスナー付き財布」等の説明的な名前だけでなく、フランス語読みのカタカナ名が「ポルト
モネ・ビエ トレゾー」という具合に加わっている。それに習って、24heuresも「ヴァントキャトルール/24時間」という名前にすればもっと美しいのに・・・とついついカタログを見るたびに思ってしまうのだった。
(03.10.28)
・・・さて、2004年カタログではどうなっただろう。と思ったら変化していた。「Nolita
24 heures ノリータ24 (ヴァン・キャトル)」となっている。アリゼ・シリウスもしかりだ。確かに「t」は軽く発音するものなので、カタカナでは省略する方が音的に近いか。
雑誌名にもなっている「ヴァンサンカン(=25)」も同様で、本当は「ヴァン(トゥ)サンカン」と小さく
t の音が入る。「vingt(20)」単体だと t は全く発音しないのに、後につくものによって急に音が現れたりするからフランス語は面白い。ややこしいとも言う。いや、どの言語でもそうか。
それはともかく、LVのカタログはこうして新作以外のところでも少しずつ変化したり進化したりしているのだった。
(05.01.28・加筆)
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