(Français)

 

+a+

anneau / アノ

→clef,clé(クレ)


 

+c+

clef(s),clé(s) / クレ

アノクレ(キーリング)、ポシェット・クレ(小銭入れ兼用キーケース)、ミュルティクレ4,6(キーケース)と、LVの商品のいくつかに、この言葉がついている。clefもcléも発音は全く同じ「クレ」で、意味は「鍵」。

実は、アノクレを買った時の伝票に「anneau-clés」と印字されていたのを見て、恥ずかしながらスペルが違うのではと疑ってしまった。辞書を引いてみてビックリ。「clé=clef」と書いてあったのだった・・・不勉強デシタ・・・。ただ、辞書上で意味の説明をしてあるのは「clef」の方なので、やはりこちらがフランス語としては主流なんだろう。

どうしてLVは「clé」の方を使っているんだろう・・・と思いながらカタログをめくっていて気が付いた。「clef」が使われている商品があるのだ。モノミニのポシェット・クレ&ミュルティクレ、エピのポシェット・クレ、そして栓抜きみたいな(笑)ポルト クレ・エピ Z。この4つだけが「clef」だった。同じエピでも何故かミュルティクレは「clé」派で、その他のラインも全てそうだった。・・・新しい商品には「clef」を使っているということか? と思ってよく見たら、スハリのポシェット・クレも「clé」だった。・・・謎は深まるばかりだ・・・。

ちなみに、アノクレのanneauは「輪・リング」。なのでそのまんま「キーリング」。ミュルティクレのミュルティはmulti、つまりマルチと一緒で「たくさんの」の意。なるほど鍵がたくさんつけられるからね、と納得しつつも、アノクレやポシェット・クレにだって鍵はたくさんつけられる・・・と小声でツッコンでみる。

ついでに、multiclésはカタカナでは「ミュルティクレ」と書くが、発音的には「ミュルチクレ」としたいところ。英語慣れしているとなんだか「ミュルチ」はダサいのだが、逆にフランス語として聞くと「ミュルティ」と発音してしまうのは却ってダサい。・・・気がする。フランス人に感想を聞いたことはないのだが。

そういう訳で、別ブランドだが「カルティエ」も本当は「カルチエ」と発音するのが美しい。・・・などと言っていても、フランス人はどちからというと「キャルチエ」に近い発音をする上に、「r」の発音はとても文字には表せない特殊な発音なので、もうカタカナでは表現できない世界なのだけれども。
(03.10.24)

 

+p+

Pont-neuf / ポンヌフ

フランス語でpont(ポン)は「橋」、neuf(ヌフ)は「新しい」。フランス語では、形容詞は名詞の後に来るのが普通なのでこういう語順になる。つまり「新しい橋」という名を持つこの橋だが、実はパリに現存する中でいちばん古い橋なのだった。

映画「ポンヌフの恋人」(・・・観たいと思いつつもまだ観ていない・・・)でも有名なこの橋は、セーヌ川に浮かぶ島・シテ島の西の端っこを通って、川の右岸・左岸を結んでいる。シテ島の中にはポンヌフ広場があり、橋を渡った右岸側にはメトロの駅「ポンヌフ」があって、そのままポンヌフ通りにも続いている。ポンヌフだらけだ。

フランスに詳しい方には今更ながら右岸は地図の上側=北側、左岸は南側で、右岸と左岸ではイメージやスタイルも違う。右岸というと高級ブティックや官庁街が多く、対する左岸はもっとリベラルなイメージ。学生や若者が多く、芸術・文学やモード寄りと言った雰囲気か。ちなみに、イヴ・サンローラン リヴ・ゴーシュの「リヴ・ゴーシュ」とはフランス語で「左岸」のことだ。

そんな右岸と左岸をつなぐ橋は数あるが、殆どの橋は日本語ガイドブックでは「○○橋」と書いてある。が、ポンヌフはポンヌフらしい。 確かに、他の橋は人の名前や地名の場合が多いからいいとして、ポンヌフの場合は・・・「ヌフ橋」というのも間が抜けているし、かといって「新橋」なのも・・・。なるほどそれでなのか。たまに「ポンヌフ橋」と書いてあることもあるが、フランス語に戻すと「ポンポンヌフ」になってしまいかなりイタダケナイ。やはりポンヌフはポンヌフということだ。
(03.10.26)


 

+v+

24 heures (vingt-quatre heures)/
ヴァントキャトルール

ノリータやアリゼ、シリウスの中に、「24heures」という名のついたものがある。「heure(s)」は「時刻・時間」なので、「24時間」。丸1日という意味だ。つまり1泊程度の荷物にぴったりのバッグということなのだろう。語尾のsは英語と同じ、複数形だ。

名前のつけ方はとっても素敵なのだが、表記についてはどうもスッキリしない点がある。「24アール」・・・これを「にじゅうよんあーる」と日本語読みを混ぜて読んでいいものか。かと言って、「24アール」と書いて「ヴァントキャトルール」と読むというのも一般的にはムチャな話だし・・・。

問題は他にもある。フランス語は単語と単語がくっついて発音されるケースが多く、これも「ヴァントキャトル(24)」と「アール」がくっついてしまうのだ。おまけに「heure(s)」は本当は「ウール」と「アール」の中間のような微妙な発音。つまり、「24heures」は徹底的にカタカナ表記に向かないのだった。

そういう事情からなのかは不明だが、2003年のカタログからノリータは「24アワーズ」に、アリゼ&シリウスは「24h」にと表記が変わってしまった。しかし・・・やっぱり「にじゅうよんあわーず」と読むのも不自然だし、だからといって全部英語読みなのももっと違う気がする。「24h」に至っては本当にどうしたらいいのか・・・。

2003年のカタログの財布類は、去年までの「ファスナー付き財布」等の説明的な名前だけでなく、フランス語読みのカタカナ名が「ポルト モネ・ビエ トレゾー」という具合に加わっている。それに習って、24heuresも「ヴァントキャトルール/24時間」という名前にすればもっと美しいのに・・・とついついカタログを見るたびに思ってしまうのだった。
(03.10.28)

・・・さて、2004年カタログではどうなっただろう。と思ったら変化していた。「Nolita 24 heures ノリータ24 (ヴァン・キャトル)」となっている。アリゼ・シリウスもしかりだ。確かに「t」は軽く発音するものなので、カタカナでは省略する方が音的に近いか。

雑誌名にもなっている「ヴァンサンカン(=25)」も同様で、本当は「ヴァン(トゥ)サンカン」と小さく t の音が入る。「vingt(20)」単体だと t は全く発音しないのに、後につくものによって急に音が現れたりするからフランス語は面白い。ややこしいとも言う。いや、どの言語でもそうか。

それはともかく、LVのカタログはこうして新作以外のところでも少しずつ変化したり進化したりしているのだった。
(05.01.28・加筆)


 

 

 

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